主題類別 Ex:婦產科

【安田知識ベース】単孔腹腔鏡手術(LESS)

2023.07.21

単孔腹腔鏡手術(LESS)の英語の正式名称は「laparo-endoscopic single site」です。これまで、腹腔鏡手術は進化を続けてきました。最初は簡単な卵管結紮手術から、現在では精密で複雑な癌のステージング手術まで、腹腔鏡を用いて行うことができるようになっています。

3つまたは4つの小さい穴(各傷口約0.5〜1センチメートル)を腹部から腹腔に切り入れ、カメラと手術器具を設置して手術を行う方式が、現在では1つの切開(傷口約1.5〜2.0センチメートル)でカメラと手術器具を設置して手術を行う方式に進化しました。現在、単孔腹腔鏡手術は、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮摘出術などのほとんどの婦人科手術に適用されています。

患者はすべて女性であり、傷口の美しさや痛みを気にするため、婦人科医は積極的に様々な微小侵襲手術を試みています。この単孔腹腔鏡手術では、へその上に1.5~2.0センチの小さな穴を開けます。傷口はへそのくぼみの中にあり、癒合後はへその中に隠れるため、あまり見えず、ほとんど跡が残りません。

手術の痛みについてですが、単孔腹腔鏡手術ではへそに1.5~2.0センチの小さな穴を開けるだけで済むため、傷が少ない分、痛みも少なくなります。痛みが和らぐことで、術後の回復時間が短くなり、入院日数も減少し、日常の活動に早く戻ることができます。